X線CT装置の構成要素について

CT装置の種類について

X線CT装置には主に医療用のCT産業用のCTがあります。大きな違いは医療用のCTでは少ない被爆量で撮影を行うために、ヘリカルスキャンという螺旋状に撮影を行う技術が用いられていて撮影も数十秒で行うことができます。一方産業用のCTでは精密な検査を行うことが求められるので、強いX線を発生することができて数十秒から数十分と長時間の撮影も行うことができます。おもにコーンビームのX線で撮影が行われます。

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医療用のCTでは患者さんはベッドに寝たままで、装置自体が回転して撮影を行っています。その一方で産業用CTは通常被写体を回転させて撮影を行っています。

CT装置の構成要素について

X線CT装置は、おおまかにX線を発生させるX線管装置とX線量を検出する検出器からできています。X線管装置と検出器の間に被写体を起き、被写体もしくはX線管と検出器を回転させながら撮影を行います。

X線管装置

X線管装置には主に密閉型開放型の二種類があります。開放型のX線管では焦点がX線の出る窓に近くなるのでその分高拡大率で撮影することが可能になります。対陰極としては銅やモリブデン、タングステンなどの金属に加速した電子ビームを当て、原子の1s軌道の電子を弾き飛ばします。空になった1s軌道に外の軌道の電子が遷移してきます。この遷移によって放出される電磁波をX線特に特性X線と呼んでいます。本研究で使用しているX線管は以下のような仕様となっています。

Xray tube pic

検出器

X線検出器にはパルス型積分型の検出器があります。パルス型の検出器にはシンチレーションカウンタのように、X線光子を1個1個計測するタイプであり、検出器が持つノイズはほとんど無視することができ、微弱なX線強度を精度よく検出することができます。一方積分型はX線エネルギーを可視光強度や電流などの物理量に変換して検出しています。X線フィルムやX線CCDがこのタイプです。本研究で使われている検出器はCCD型で二次元的にフォトダイオードが画素として並んだ撮像素子です。

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CTスキャンの仕組み

X線管で発生させたX線を被写体に照射し、検出器で検出器に到達したX線強度を測定します。被写体を通過したX線は吸収され検出されるX線強度は小さくなっています。このデータ1つ1つを透視画像と呼びます。この透視画像を被写体の周囲方向から通常800方向程度のデータを取得し、得られたデータを使い画像を再構成することで物体の断面画像を得ています。

—————————————–参考文献———————————————-

「Wikipedia X線」

「二次元X線検出器の原理と性能,  雨宮,伊藤,  日本結晶学会誌, 45, p163−170, 2003」

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